3年間の感謝に微笑む
職場の契約社員からメールが届いた。
「3年間ありがとうございました。
1年間でやめてしまってたところを今日までいろいろと助けていただきました。
これからもよろしくお願いします。」
こんな内容だった。
契約期間が3年間であったので一区切りのあいさつであったようだ。
契約更新し仕事を続ける気でいる様子。
若いのにしっかりしているなと感心。
仕事を覚えるまでに多くの20代が離職する。
この契約社員もその一人になるはずだった。
わたしが採用したこともあり、3年間辛抱して働いてもらった。
最初は自ら引きこもりですというほど家の中から出ない人間であったらしい。
人間不信とでもいうのか、自分の世界観を持っている人だと感じていた。
とにかく尖がっていた。
わたしが採用しようと思えた一つの理由が面接中、ずっと笑顔であったことだ。
通常ならいやな質問をぶつけると、顔色が変わるものである。
しかしそうでなかったのだ。
頬を引きつらせながらも笑顔を絶やさず、ニコニコして質問に答えていた。
あれから3年が経ち、仕事もバリバリこなすまでに成長した。
もう3年かと思うと短いものである。
だが、お金も時間も費やした自分もそこにいたわけで、人を育てるのは大変であるがそれ以上に喜びも多かったとメールを読みながら3年間を反芻していた。 |