受験生は志望校へ合格するためにあの手この手で試験に臨む。
受験生の多くは試験会場に御守を持参し、最後は神頼みという人も多い。
こんな受験生の中に「八つ手の葉」を使って合格を勝ち取ろうという者がいる。
「八つ手」はウコギ科の常緑低木で、高さ約三メートルの庭木。
葉は掌状に7〜11に裂けている特徴がある。
「てんぐのはうちわ」として有名である「八つ手の葉」を使ってどうやって合格させるのか?
使用方法はこうである。
まず「八つ手の葉」を手に入れるわけだが、自分の背中に収まる程度の大きさで元気な葉を入手する。
破れている葉や枯れている葉は効果が薄いらしい。
その「八つ手の葉」を試験前日に制服の下のシャツや下着の背中部分に固定する。
固定方法は糸を使用し、「八つ手の葉」を傷付けないように葉の裂け目と裂け目の間や、茎周辺を通して落ちないように固定する。
ここで葉に直接糸を通して傷つけると効果が薄れるという。
試験当日、「八つ手の葉」と付けたシャツを着て会場へ向かう。
そして試験を受ける。
ただこれだけである。
まさに御呪い(おまじない)であるわけだが、ある国立大学のキャンパスに植えられている「八つ手」だけは合格率100%を誇っているという。
その「八つ手」はとても立派な葉をつけており、「でんぐのはうちわ」で合格へあおられるらしい。
しかし、この「八つ手の葉」はある人にしか効き目がないそうだ。
必死で勉強した人にのみ効果があるというからお粗末である。
受験生やその親、関係者たちは何かにすがりたいと思うものであるが、「八つ手の葉」はそんな期待に応えてくれる葉としての役目を果たそうと必死であろう。
「八つ手の葉」は去痰(きょたん)薬にされるというから、背中に張り付けた「八つ手の葉」はもしかすると受験生の呼吸を楽にしてくれているのかもしれない。
とにかく勉強しなければ効果はないということですが、こんな方法で合格を勝ち取ろうとする人たちがいることに感銘を受ける。
そういえば、京都の北野天満宮の絵馬はよく効くという噂も耳にするのですが、以前訪問した際に北海道からわざわざ合格祈願にきたという青年に出会った。
この青年は合格したのだろうかと思うわけですが、志望校へ合格するには勉強することが第一ですが、「八つ手の葉」のように合格へみんなであおることが受験生本人の心の支えとなっているようにも思えるのです。
|