日本の会社の多くは退職金を支払っていますが、退職する時になってのトラブルが意外に多いのです。
それは退職金についての知識がないことが主な原因となっているのですが、退職金について様々な職種の方にうかがうとこんな結果が出てきました。
自分の退職金の金額を知っている人が3割程度で、あとの7割は自分の退職金の金額を知らないのです。
中には退職金制度があると思って働いているが実は会社には退職金の規定が無かったという場合もある。
小規模営利団体の場合は入社時の契約書や就業規則が作成されていない場合がほとんどですので、退職金についても会社側が退職金の支払い実績があるかないかが論点となってきます。
退職金規定がない場合は退職金がないと考えておくべきですが、過去に退職金を支払った事実がある場合には会社側は退職金を支払わなければなりません。
退職金規定のある会社は労働基準監督署にその内容を届け出なければならないため、退職金は労働契約のひとつとして受け取る権利が発生する。
同時に会社側も退職金を支払わなければならない義務が生じる。
では、自分の退職金はいくらなのか?
退職金の計算方法を知っている従業員は少ないと思います。
まずはこの計算方法を知ることが最も大切です。
なぜなら退職金の計算は会社によって異なるからです。
例えば、勤続年数によって退職金額が決まっている会社、勤続年数にそのときの給料を乗じる会社、勤続年数と役職でポイントを付与して累計ポイントで金額を決める会社、外部運用機関に委託して積立金を支払う会社などさまざまです。
はっきりと退職金がいくらになるという表記が規定にあればわかりやすいのですが、外部運用機関に委託している場合金額がいくらになっているのかがはっきりしません。
また外部委託の場合は会社側が金額を操作できないため退職金額は委託会社の運用で決まります。
会社が300万円が退職金であるとしていても運用会社で330万円の積み立てとなっていれば330万円が退職金として支払われることとなります。
このように退職金を支払うには会社がしっかりと積み立てをしておかなければ成立しません。
それが現実には積み立てが行なわれていない場合や退職金の積立に手をつけている会社も多いようです。
理由は退職金の積み立ては会社の義務となっておらず、法に触れないために積み立てをする努力さえしていればよいというのが会社の見解になっているのです。
自分の退職金がどのように積み立てられているのか、その積み立てはどこで行なわれているのかなどの情報をしっかり確保しておくことが大切でしょう。
もし会社が企業年金に加入している場合は、倒産しても退職金は守られるのですが・・・。
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