靴底にも多く使用されているポリウレタンについて一筆。
ポリウレタン(Polyurethan)はウレタン結合(-NHCOO-)という構造を繰り返して結合している高分子化合物。
耐摩耗性、耐溶剤性、耐薬品性が比較的高く、発泡させてウレタンフォームとしてマットレス、スポンジ状たわし、断熱材、包装などに用いられています。
他にもウレタンゴム、接着剤、繊維、塗料などきわめて広い用途があるのが特徴です。
このように生活に便利なポリウレタンは靴底(表底)にも使用され、耐久性やクッション性に優れた材料として重宝されています。
礼装用の靴底として人気が高い革製品は店頭では姿を消しつつあり、現在の靴底の多くは(発泡)ポリウレタンが主流となっています。
靴を購入する際、履くために買うわけですが、通常使用する靴としている場合は大きな問題はありませんが、たまに履くような場合は保管方法に注意が必要なのです。
大型の収納スペースがある場合はまだましなのかもしれませんが、購入した時に靴が入っていた箱に入れて保管する方が多いようです。
実はこの箱に入れて保管する行為がポリウレタンには大敵なのです。
ポリウレタンは高温多湿の場所に長時間保存されると、経年劣化を起こしてしまうのです。
靴底がポリウレタンの場合、箱の中に入れて保管すると通気性が悪くなり、湿気によって劣化していき、いざ靴を履こうとした時には靴底がボロボロになっていることになります。
長期にわたって保管しておく場合は靴底が革であるほうが安心です。
もし靴底にポリウレタンが使われている場合には、箱にしまわずに風通しのよい場所で保管することです。
結婚式やお葬式、パーティ時に箱から出して靴を履いてみるとソールがべろっと剥がれたなんて方は意外に多いようです。
靴はデザイン性も気になりますが、自分の足に合った疲れにくいものを選択した方が無難です。
その時に、長期保管する可能性がある場合には靴底のチェックもしておいたほうがよいでしょう。
お洒落は足元からというのが江戸の慣わしですよね。
足元をみられた扱いを受けないためにも靴は底から気をつけておきましょう。
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